シャルドネは白ワイン用のブドウ品種です。気温、日照量、土壌などの栽培条件を選ばず、その土地の特徴を映したブドウに育ちやすいことから人気が高く、世界中で栽培されています。
近年シャルドネの人気が急上昇した理由には、適した気候や土壌が多様で栽培しやすくて土地の味わいに仕上がってくれること、若いワインとしても長い熟成を経て複雑な風味が加わっても楽しめること、料理との相性が良いことなどが挙げられます。シャルドネは、『モンラッシェ』『ムルソー』『シャブリ』などのブルゴーニュ地方の高級ワインで使われるため、高品質の白ワインを作るために欠かせない品種として知られています。一方でリーズナブルなワインでもフルーティで美味しいワインができます。
気温や日照量の低い土地や年ではリンゴや柑橘類、メロン、ライチなどの繊細な香り。温暖で日照量の豊富な土地ではトロピカルフルーツのような華やかなフルーツの香りがあります。オーク樽で熟成した場合は、バター、バニラ、トーストのような香りが加わります。
フルーティで、リンゴやレモンなどの柑橘類の酸味と、バターやバニラなどのオーク樽由来の風味が感じられます。また、マロラクティック醗酵を行った場合は、クリーミーな風味が加わります。
伝統的にピノ・ノワールを造ってきたブルゴーニュ地方では、なで肩の『ブルゴーニュ型』瓶が伝統的です。
そのため世界的にピノ・ノワールのワイン
それに習うのが一般的です。
シャルドネの起源は古くから栽培が盛んであるフランスのブルゴーニュ地方という説が有力です。やがてロワール地方やシャンパーニュ地方でも栽培が行われるようになり、18世紀にはヨーロッパ中に伝わっていきました。
19世紀に入ると、シャルドネは世界各地に広まっていき、特にアメリカ合衆国のカリフォルニア州では、20世紀半ばに栽培が急速に拡大。現在では世界中で栽培されるようになっています。
鑑定の結果、シャルドネはピノ(※)とグエ・ブランの自然交配品種であることがわかりました。「グエ・ブラン」は絶滅危惧品種ですが、それもそのはずで良質のワインを生まないことから栽培されなくなったことが背景にあります。片親であるピノ・ノワールは『ロマネ・コンティ』を筆頭に優れたワインを生み出すことから、シャルドネのDNAが判明した当時「格差婚だ」といわれて話題になりました。因みに現在でも重要な品種である「アリゴテ」「ガメイ」「ミュスカデ」がまったくおなじ交配から生まれています。
※ピノは変異によって、現在のピノ・ノワールなどになった古い品種です。
シャルドネは、世界的に広く栽培される白ワイン用のブドウ品種であり、豊かな果実味や風味、樽熟成による複雑さなど多様な表情を持っています。フランス、ブルゴーニュ地方が原産地ですが、世界各地で栽培されるようになって多くのワイン愛好家から愛されています。イタリア、アメリカ、オーストラリアやニュージーランド、チリなどの新世界ワイン産地で高品質なシャルドネが生産されており、それぞれの土地の気候や土壌、醸造技術によって、多彩な風味や味わいが楽しめます。この記事では、シャルドネの特徴や歴史、世界各地の生産地の特徴などを解説しています。
シャルドネのワインは樽熟成との相性がよいのが特徴のひとつです。高級な銘柄では樽による熟成を行ってワインに木の風味をつけながら酸化熟成をうながします。これにより柔らかで複雑な味わいになり、バニラやトーストのような風味をまといます。リーズナブルな銘柄でも樽の風味をつけるためのオークチップやオークスティーブをつかって木の風味をつけることがあります。
シャルドネは酸味が中程度のブドウ品種ですが、世界各国の北から南まで栽培されているため気候条件により表情が様々です。ブドウは一般的に涼しい産地で栽培すると酸味が強くなりますが、マロラクティック醗酵といい、ブドウのリンゴのような強い酸味をヨーグルトのようなマイルドな酸味に変える醗酵を行えば酸味をやわらげることができます。逆に温かい地域で酸味のあるワインを造るためにマロラクティック醗酵を行わない場合もあります。
〈2016年栽培面積〉
フランス 47,451
アメリカ合衆国 41,392
オーストラリア 21,321
イタリア 19,769
チリ 11,435
スペイン 6,866
南アフリカ 6,856
アルゼンチン 6,227
中国 6,100
モルドバ 4,133